神父 ジムゾン

[それが、託してゆくものの意思であり、
願いであり、
意図してはいなかったとしても、
確かに呪いであることには、気付いている。

　ディーターが人狼か従者であったなら、
　生きているのは、ふたり。
　そして、もしニコラスが仮定するように、
　明日残るのが自分の方であるならば、
　その場に立っている者たちは――

“家族同然のかけがえのない身内たちと、
　心から大切な幼馴染、
　そしてこの騒動の中、必死で道を探していた女性”

皆、守ることが出来たなら、
結果的に自身が食らわれることになったとしても
悔いはない者たちだった。

彼らのうち、少なくともふたりを――、
その約束は、そういう意味だ。]