− 領主の間 −
[部屋に入るなり、そこにあるワインを手に取る。]
参上が遅れてすまない。妹にちょっかい出しに行ってたものでな。
それよりも領主よ、あんた領主辞めるんだって?で、次期領主をグリードで決めるって?
あんた何考えてんのさ。こんな無駄に立派な招待状まで送ってきてさ。こんな面白そうなことに参加しないわけがないじゃないか。領主の座に興味はないけど、勝負は全力だ。
妹は参加しないそうだが、とても勿体無いと思う。
[淡々と少し早口で。表情こそほとんど変わらないものの、この人物はこれでいて非常に楽しみに来たようだ。]
ところで、所謂今北産業。
[参加者らしい人影がそこそこいることは窓の外から把握済みだが、姿や声まではわからなかった。顔馴染みがいるのならワインや肴を勧めるかもしれない。]