――集会所の裏――
[続けて、そのときの人形劇の様子を尋ねる。同業者として、とても興味があった。
――『数少ない楽しい思い出』>>331。
その言葉を聞いたとき――いや、傷のあるすがたを、そしてタグを見た最初のときから、きっと、困難な道行きのひとだったのだろうと思っていた。>>22>>24
半月型の、分割されたタグを『一人のひとが二枚持っている』というその時点で、自身のものではない可能性が浮かぶ。タグが分かれるとき、片方はひとの手に渡り、片方は亡骸に残されると聞いた。
人形劇のことを問えば、そのときの様子を話してくれた。>>336
どこまで詳しく話してくれたにせよ>>333>>334、話を聞く彼女には、語られる光景が鮮やかに目に浮かぶような気がした。
きっと、その記憶は、ほんとうに良いものだったのだろう。
記憶の日の彼は、繋いでいた手の温もりを、心からたいせつにしていたのだろうと。]