……我、天の竜皇の血を継ぎし者の号において求める。
竜皇剣フトゥールム、あまねく精霊の祝福を持って覚醒せよ。
[静かに紡ぐ言の葉に応じ、剣が形を変える。
若き騎竜師も一度は目の当たりにしているはずのもの。
聖王国の護り手たる騎竜師だけが所持を許される剣――『聖剣』とよく似た、けれど、それを更に研ぎ澄ませたような剣へと]
我は、天と地を結ぶもの。
その絆にて人界と竜界を繋ぎ、それを持って四界と人界とを繋ぐ者。
『天煌竜牙』、その号を持って、今ここに宣する。
世界を呑み込む嘆きの翳り、それを浄め、穏やかなる眠りをもたらす事を。