[応答を終えた直後は、難しい表情を見せぬよう
候補生の輪に背を向け、思案に沈み額に手を当てていたが。
ふとウェルシュカーディに向けられた問いを思い出し、
時間差で彼らに向き直る。>>344]
……あっ、ああ、うん。
聖神神殿との行き来に使った転移陣も、
普通とは少し違う特殊な術式で組まれていて、
俺たちも、よほどの理由や命令が無い限りは足を踏み入れられないし…
[言葉を探すように、数拍の間を空けて、]
あの場所は、
冒すことの出来ない聖域――だからね。
貴重な経験というのは、本当にその通りだよ。
…特に、今回の舞台は精霊の長たちが手ずから構築して下さった場だし………
[そう締めくくる。]