―自室―
[扉のロックが解除されていることを確認すると
中が無人であることを確かめた上で、足を進めた。
ドロイドの侵攻は私室の中にまでは及んでいないらしい。
白を基調とした飾り気のない壁紙も、家具も、
懐古を覚えるくらいには今までの体感での時間の経過は早かった。
家具類は空間転移の際の衝撃を免れたのか
倒れたり壊れたりなどしている様子はなく。
こんな状況でもそのことだけは僥倖に思うが
感慨に浸っているような時間は残されていない。
廊下の外から遠く微かに機械音が聞こえた気がした。
そう、まだドロイドたちの侵攻は止まってはいないのだ。
ダーフィトは小机の中からペンダントを取り出すと
鈍く輝きを放つそれを首からかけ、部屋の外へと。]