[ヴィンセント>>333とジークムントがサロンへ入ってくる気配を感じれば、窓に向けられていた視線は室内へ戻される。
もしそのまま外を見ていたならば、結界に気づいたかもしれないが、運命は時としてドラマチックな展開を望むものだ。]
お久しゅうございます、ジークムント殿。
お元気そうで何よりですよ。
[再び胡散臭い笑みを貼りつけて、現れた姿に挨拶を贈る。
ここにいる面々が特異なだけで、吸血鬼とはお互いに忌み嫌う間柄であるため、日々、誰かと接触するようなことは稀なのだ。
彼と言葉を交わしたのは、どれ程前のことだったか。
ソファから立ち上がり一礼すれば、服の中で血玉が揺れた。]