少女 リーザ

── 開票のその後で ──

［深くお辞儀をする親友に続き>>330
　その隣で礼をする。
　深く、深く。


　あぁ、本当に
　この村が、みんなのことが好きだった。
　村の住人だけではない。
　毎年顔を出してくれるニコラスだってその一員だ。
　彼は言った。
　これまで聞いたこともないような口調で
　リーザを怒鳴った。>>326,>>327

　その言葉をどれほど待ち侘びていたか。
　内側から何かが込み上げる。
　目の当たりが熱くなる。
　でもそれを押しとどめる。
　わかっているんだ
　ニコラスのほうがもっとずっと苦しいってこと。
　もっとずっと悲しいってこと。


　だから、20年分の感謝とたくさんのごめんなさいを
　今この瞬間にかけた。］