[注視の先を追えば、城の入口に立っていた魔族が、
にぃっと口角を歪めたのが一瞬見えた。
周囲に立ち込める雑多な魔力に紛れ、巡らされた悪意が足下に収束するとほぼ同時、腰を抱く夫の腕にぐっと力が篭もる>>355]
………っ、
[渦に呑まれるような衝撃に目を瞑り、
次に開いた時には、薄暗い石壁に囲まれていた]
お客をもてなすには、趣向が過ぎるわね…
[夫の言に溜息混じりの同意を呟く。
無事を確かめる指先>>356に、少し目を細め]
ええ、このくらいは全然平気。
でも貴方……、トラブルに巻き込まれやすいのね。
[そもそも魔界に浚われたのも、我が身には覚えのないことだ。
巻き込まれる身でありながらも、懸念の視線を向け]