人狼物語−薔薇の下国

68 Es2nd― 緋の世界に滲む月 ―


狩猟師 ギィ

― ここではないどこか・ジェフロイと ―

[頬を撫でて滑る風が、外気の冷たさを運んでくれる。
そう、"願い"の後、男は熱を、冷たさを感じられるようになっていた。
ヒトだった時と同じように、人の肌の温もりを感じられる。
そんな簡単な事柄に、驚きを隠せずにいた。
完全な吸血種は、五感も人のそれと同じなのだろう。]

 ――ジェフロイか。

[不意、背後から掛かる声に振り返る。
彼の穏やかな声音に聞き入った。]

 私が、鑑定師や騎士のふりをしたのは…

 ブランに貢献した上で、処理施設に行きたかったから、
 それが一番大きかった。
 単なる、自分のエゴだ。故に、礼を言われる筋合いはないよ。

[尤も、鑑定師の時は本気で鑑定師を護る心算もあったのだけれど]

(357) 2013/10/13(Sun) 00:59:42 (presage)

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