― 公国・個人執務室 ―あいつの方が、つええかも なあ…。[レナトとの会話を終えて独り語ちた。苦笑する思いで、先の彼との会話を思い返す]…揺らすな…、ね。[偉そうに言っておいて、自分はなんだ。揺れっぱなしじゃないか。ベリアンを助け、カレルに銃口を向けた時のことが頭にある。あの時、カレルを先にカレルと認識していたなら。自分には撃てただろうか。躊躇わなかっただろうか。躊躇っていたなら、ベリアンは失われていたのじゃないか]