― 虚無の深淵 ―[切り拓かれた道。それを駆けた一撃が、漆黒の核を打ち砕く。複数の硝子が一斉に砕けるような、そんな感じの音が薄墨色の虚空に響き。それから、虚無の本体がぐずり、という感じで崩れ始めた] ……っ! 全員、下がって! 飲まれる前に、早く![核を無事に砕けても、本体の崩落に巻き込まれては意味がない。だから、と声を張り上げつつ、青年は後ろに控えるティアナを振り返った]