[ボロリと涙が頬を伝い、感情的な音楽に息が切れる。]
……僕は、……選べない。
[ダーフィトと話し、疑念を持ってしまった二人。
今日知り合ったばかりだが、H&L社で働いているというタイガ。素朴に笑い、普通に不安がり、清掃ドロイドにも思いやりをみせていた、優しい青年。
いい曲ですねと、ハーモニカの演奏に惜しみない賞賛を送ってくれたハダリー。まだ、作った譜面も渡していない。
主人が音楽好きだと、そういって寂しそうに笑った顔に、嘘はなかったと信じたい。]
……スノウ、いますか?
[そう呼べば、現れるのはフワフワの白い猫。
チリンと涼やかに鈴を鳴らして。]
僕は、……僕に投票します。
[その声に、迷いは無かった。**]