[再びあけた視界の先にフェリクスの苦しげな顔が飛び込む。
ああ、今何をしてたんだっけ ―― 、]
………あ゛ 、
[記憶は継承されており、寸前視た断片をたぐりよせ、
―――そしてぞっとした。
涙を浮かべているフェリクスを、目の当たりにして]
フェリ、ごめん。
俺、ほんと最悪だね ………、
俺、……、もう、 もう ……ははは、終わってる。
[額から目元にかけてを、掌で覆う。
友人を傷つける事を言った舌は、間違いなく自分でなくて自分のもの。
――いっそ、死んでしまいたい、自らの血に、毒を籠めて。]