― やがて王宮へと戻り ―
[話が纏まれば、南の地区から離れ王宮へと向かい、道中何事も無く城に辿り着く。
改めて幼馴染の方に顔を向け苦笑を浮かべていたが、すぐにそれも表情がかわる。]
忙しいのに付き合わせて悪かった。
が、こうして二人で話せるのは良かったと思ってる、幼馴染として。
[互いが多忙の中、細やかな時間ではあるが二人で話せたのが良かったと思うのは紛れも無い事実。
立場上壁を作ったり真実を言えたりする事が出来なかったのは心苦しい。
それでも昔の様に振舞ってくれる時があったのは本当に嬉しかったのだ。
浮かべる笑みは取り繕うものではなくごく自然のもの。]
ありがとうリヒャルト。
もう此処まで来れば大丈夫だろう。
付き添い感謝する。
[本来ならばもっと上手い言葉を言うべきだろうが、自分ではこれぐらいの事しか言えず。
ぴしりとした右手の動きで敬礼の態を示した後、踵を返し幼馴染と別れを済ました**]