[プレゼントなど、渡せるはずもなかった。これから先も何度も逢うと、約束していたのだから。だから――…何も言わず、彼の荷物に忍ばせた。養父が使っていた、二振りの剣。それぞれに拵えられた、柄頭につける飾り。トールに贈るは、銀とルビーで彩られた、赤いたてがみの女神。勝利を司るそれを、彼へと。]