[鬱蒼と茂る森は今の国の暗さを思わせるよう。森に魔が入り込んでいる可能性もあるため、男は慎重に歩みを進めた] ……………? これは。[森の奥に進めた足が止まる。そこにあるのは誰かが居た痕跡。魔のものとは思えない、人の痕跡だ] 誰か、居るのか。[賊の可能性もあったが、王子である可能性も捨て切れなかったため、森の奥に向けて声を投げかける。一度の呼びかけで返らないようなら、更に歩を進めて声を投げかけ続けた]