――卒業直前のある日の寮――[別れの時が近づいているなど、考えもしたくなかった。彼は、一年の間は来てくれると約束をしているのだから。寂しさはあれど、それ自体に不安はない。―― 一年後のことなど、今はまだ、考えもしたくなかった。] せんぱい……。[それでも。卒業は、一つの区切りなのだ。この部屋で彼と共に過ごした日々が、これで、終わってしまう。]