― 会見の日 ―
[ほんの一瞬、過去へと移ろった意識を現実へと引き戻す。
学館に通うようになってから、巡視の騎士団と直接見えた事はなかったが。
今の所、『里から見えない距離』は、保たれている、とは聞いていた]
(……そういや、あのひと。今、どこにいるんだろ)
[感情任せな子供の警告に対し、冷静さを損なわずに対してきたひと。
しっかりした筋の一本通った人だったな、と思うようになったのは、後になってからだが。
……今現在、案外と近い所にいる事>>162には、未だ気づく事なく。
過去から戻った意識は、今、目の前でなされるやり取りへと強く向けられる。*]