― 自室近く ―
[結局新しい手袋を使用してまた洗濯物を増やしてしまった。
洗いたてのものを身につけると安心するようで心もち表情が緩む。
子供の頃は泥だらけになって外で遊んだものだが
親に、汚い、病気になる、等ときつく叱られそんな観念が植えつけられた。
潔癖の徴候はあれど症状と呼べるほどになったのは大分後の事だったが。
過去を思い出して、そっと息を吐く。
下げた視線を前に向ければ、軍医>>350の姿が見えた。]
あ。
[驚きに間抜けな一音が漏れる。
踵を返そうとして、さすがにあからさま過ぎるとそれを断念する。]
こんな場所で会うなんて珍しいですね。
往診か何かですか?
[尋ねを向けるもののアレクシスの手には見覚えのある消毒液と
缶>>346があり瞬いてからコトリと首を傾げ彼を見る。]