[なお、里に戻った後、両親双方にこっ酷く叱られたのは言うまでもなく。
二度と外の者に近づくな、と古老たちにも言われた……けれど]
……ダメだよ、それじゃ。
このまま、外の事、ほとんど知らないままでいたら、ダメ。
[叱られて凹むどころか、逆に意気は上がっていた]
今のまま、新しい流れを拒むだけじゃ、風はいつか澱んじゃう。
そう、ならないように……外に出て、色々、勉強したい!
そういう事が出来る場所があるって、前に来たおにーさんが言ってたでしょ!
[以前、古の民の消息を求めてやって来た学館の生徒がいた。
彼から、『もし、興味があるならシュビトの学館においで』とそう、聞かされてからずっと疼いていた想いを勢い任せに叩きつけ。
当然の如く、大騒動に繋がったものの──結果。
ある事を条件に、学館への入学は許可されて。
そうして、真白の小猿と共に学館の門を叩いたのはそれから一月ほど後の事]