[ 湯あみを終え、テオドールは女も下がらせ、ひとりになった。
併設する部屋で仮眠を取る。
……短い夢を見た。
妻と息子の夢だ。
今、彼らは……傍に居ると言えば居るとも言えるし、どこにも居ないと言えば居ない。 ]
[ 彼らの姿が消えると、三年前の門の記憶>>343がふわりと浮かびあがってきた。
5年後には、騎士団の中核をなすメンバーだ。千載一遇のチャンスを、テオドールは逃してしまった。
……失敗から連想するように、
砦包囲が完成するかどうかという頃、あっけらかんと捕われて、引ったてられて来たソマリアラン>>142の腑抜けた顔が浮かんできた。 ]