――剣は。 自分の意志を持たない。 使い手がどのように使うかを決めるのだ。 私も。 神の剣である以上、御心のままに振るわれる。 己が意志を持たぬように努めてきた。[己が内を浚い。ゆっくりと言葉を紡いでみる。伝わるかどうかは分からぬが、伝えようと試みることも意義はあろうと信じて。] 私は、剣だ。 私は神に召され、剣となった。 剣である以外の在り様など、ないのだ。[それを理解して欲しい、と願う。]