なるほど。辺境の村しか襲わず、1人ずつ食い殺すのか。
おまけに昼は正体を隠して、どんな武器を持っても普通の人間には太刀打ち出来ねぇ、と…。
銀の武器とか弱点はねぇのかよ?
[オットーの内容を声に出して確認しつつ、もしかして喜んでるのか? と思う。]
(案外、可愛いじゃねえか…)
だから村人は――……って、なんだよ?
怖いかって? お前じゃあるまいし、んなわけあるかッ!
大体、俺はお前らほど人狼の存在を信じちゃいねえ。そりゃ、いるのかも知れねぇが…。
[悪戯めいたオットーの茶化しに反撃する。
が、語尾が弱くなったのは否定仕切れない噂の数々と、なにより『見た』という者達を嘘つきにしたくない、という気持ちがあったからだが。
紅茶を咽せた事と言い、食器を落としそうになった事と言い、この弱い語尾と言い。
見ようによっては何か動揺しているように感じたかも知れなかった。]