― いつか ―
[ 傭兵となり、オクタヴィアスの友として助力をしてくれるようになったクロイツには、時折、他には出来ないような話題を振る事があった ]
ウェストマールの国力は、落ちて来てると思わないか?
[ それはもう、大概が唐突にではあったけれど ]
手当たり次第に版図を広げて、力任せに逆らう国を押しつぶす、そんなやり方も、長く続けば逆に、国の力を疲弊させ、貧富の格差を広げる元になってる。
俺には、そう見える。
[ クロイツはどう答えたか。答えなかったとしても構わなかった。その話そのものが主題ではなかったから ]
もしも、いつか、ラモーラルが...ウェストマールの支配を離れることがあったら、お前さんは、それでも、友でいてくれるか?
[ オクタヴィアスと、そして、自分と ]
[ それは多分、問いではなくて、彼への願いだった** ]