-回想- まだ、ほんの子どもなのになぁ。[タクマの言う“重い荷”にぽつりと呟く。忘れる事で重荷に耐えている、と聞き、瞳を伏せた。それは酷く不安になる事だろう。過去が無い。己自身さえも不確かになるようなものなのではないだろうか、と。男自身、忘れたいような思い出もあるが、それを実際忘却できるとしてもしないだろう。それぐらい、過去は自分を形作るものになっている。]