― 回想 ―[ ロー・シェン・リーミンというオルヴァルの兵士に対する男の印象は、とにかく曲がらない男だというものだった ]俺も相当鼻っ柱は強い方だと思ってたが、お前さんには負ける。[ 幾度かの共闘を経て、気安く酒を酌み交わすようになった相手に、そう言って笑った事を覚えている。特に友軍の援護や非戦闘員の保護に関わる事となると、一歩もひかぬ頑固さで、上官にも度々噛み付いていく様子は、傭兵の立場からも見慣れた光景にすらなっていた ]