人狼物語−薔薇の下国

168 グラムワーグ・サーガ


タイラント テオドール

― 現在:ホートン砦 ―

[ 1時間誰も入れるなと、従僕役の魔物に扉を任せ、
 ソマリアードのものだった部屋に湯を運ばせた。
 飯炊き女に手伝わせて、マントを外して軽鎧を脱いだ。
 剣だけは傍に置く。
 一勢力の指導者らしからぬ警戒ぶりは、彼が魔物すら信じていないことを窺わせた。

 よく鍛えられた大柄な体は、年齢による衰えをまだ感じさせない。
 体にも手足にも、網目のように傷痕が残っていた。刃物による物もあれば、爪牙による物もある。
 背の傷は少ないが、左脇腹に抜ける物が目を惹く。
 下手人が外したのか、テオドールが避けたのか。もし、その傷がもう少し上ならば、テオドールが今ここで生きている事はなかっただろう。 ]

(350) 2014/03/28(Fri) 17:02:09

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