[周囲に放った力の波は、界を漂う波形に響き、その形と在り方を伝えてくる。様々な力の入り乱れる中、一際強く感じるのは、彼の城で感じたあの波形]…………。[可能な限り、知覚範囲を広げて確かめる。どこまで広げても、覆い尽くすような感触が帰って来て]……大きな力で包み込まれている、というのは、確か……かな。[小さく呟いて探知の波形を引き戻した後、ひとつ、息を吐く。重い瘴気の殆ど感じられない場所とはいえ、大掛かりな術にはやはり、相応の疲労がついて回ったが、それでも]