頼んだ。
[ジェフロイにそう短く告げて、席を立った。書庫に行く道すがら、自分たちの部屋が視界に入る。
カレルはもう起きただろうか。]
……イド、伝言を。
[少しでも動けるようなら血を摂るように。
俺の部屋の冷蔵庫に実験用に冷凍保存しておいた血液がある。
今日使うつもりだったから解凍してある。必要なら飲め、と。
もしそれで、渇きがそれなりに癒せるなら代用品としての価値はある。
ついでに、吸血種に増血剤が効くのなら、大分楽になるが、どうだろう。
そんな事を考えながら書庫に向かえば、本を読むレトの姿が目に入っただろうか。>>342 先ほどこの身を襲った行為を思い出したが>>91、逃げるわけにもいかず。
集中しているようなのでこちらからは声を掛けないまま、
書架に残されている文献を読み漁った。
もし、話しかけられれば答えるだろう。**]
―書庫―