パン屋 オットー

[ランタンと鏡の破片を片付た後、いつも通り仕込みを終わらせる。
どんなに異常事態でもお腹は空くものだし、食べなければ生きていけない。
それに待ってくれている人もいるだろうし。
自分も美味しいものを食べたい。美味しいものを食べればあの味だって……ーー。]


　　…………。


[ふと、その手を止める。
この生活は、いつまで続けられるのだろうか。
あの咆哮を聞いたとき>>0:#46、自分の中で何かが崩れていく気がした。
それに先程の発作>>274。
6年前のあの日から度々起きるようになっていたとはいえ、本当に物を壊すほど強いものは今までなかった。
だから今まで人に紛れて来られたのに。

それが、終わりを意味しているようにしか感じられない。]