― 上空 ―
[ネージュの足の辺りから、じゃらりと鎖の音がする>>322。
自身が広げた術の波紋に、アリーセが何を感じたかはわからない。
自分の命を救った精霊術に、悪しき感情を抱く者が居るとは想像もしなかった]
[自身の立ち位置を確認するような呟きに、アリーセから眼差しを送られる>>324]
面倒、ですか?
いえ、わたくしの背負ったものなど……お兄様やお姉様に比べれば。
[今まさに一族の代表として中央の軍に入り、一隊を任されているであろう長兄の事を思う。
他の兄や姉も、一族の名を背負い、あるいは嫁ぎ先と一族の楔として、重要な役目を果たしている。
自分もそうありたいと思いながらも、あるべき場所を見付けられないまま、この前線まで流れて来た]