[燻っていたモノが、恰好の餌食だったんだろうね。一時的に殺意と憎悪が膨れ上がった俺は情報の真偽を確認せず、全ての感情を捨てて、殺意だけで抜刀して斬り捨てようと。しかし身体は金縛りにあったかのように、柄に手を掛けることすら叶わない。覗く濃い赤>>295には、どちらか。或いは両方か。お望みの殺意は映って見えたかね。やがて話が終わり、こちらの動きが取れるようになったら、背を向ける奴>>296に斬り掛かってやろうと柄に手を伸ばしたが。柄に手が掛かる前に。意識が。ふつりと―――*]