──回想・自分の父親とコラサーヴ──
[コラサーヴは半分植物の人間が住む
緑豊かな星だ。
なにせ、人自身が緑の一部。
その全てが感応能力≪テレパス≫持ちで美しく
数年に一度の『覚醒』の時には
全てが意識を共にし、淘汰、成長、交配し
保守的に平和に暮らしてきていた。
しかし他星の血が混じるはぐれ者の自分は
その覚醒に混じることができずに弾き出された。
十年前、各星では風の内戦を引き起こしたと
語られている異常気象。
彼らは覚醒に合わせて乗り越えることができたが
覚醒に混じる事が出来なかった自分は、
あの時に前船長に拾われていなければ
孤独に死んでいた事だろう。
そんな風に争い少なく暮らしてきたが故に
外に出たがる者が少ないのだが、
この宇宙開拓時代。
それでも外に出る者たちもいる。
そんな中に娘の母もいた。
その先で身篭った母は、父の事を語らない]