そして、もう一つ。[少女の華奢な白い手を、そっとすくい上げる] 貴女と同じ、異形の身であれば。 永久に。 貴女の傍に居ることが出来る。 ――これ以上に、大切なことなど何もない。[ふつりと周囲を照らしていた狐火は途絶える。中庭は夜闇の静謐さを取り戻し、風は緩やかに吹いている] 安心してください。今はちゃんと正気です。 真面目に、言いますね。 流石の僕でも、少々気恥ずかしくはあるのですが――。