― 回想 ―
彼女の操船はありゃ才能というか、むしろ性格がそのまま操船になってるというか。
[ ヴィクトリアの操船を間近に見たゲオルグが、酒の肴に、彼女の操舵を褒めるのを>>270聞いた男は、笑いながらそう保証した。
彼女が操る艦に上官として乗務したこともあるが、いざという時の的確な判断と驚く程の度胸の良さ、そして、鮮やかとしか言いようのない操船技術には何度も助けられ驚かされた。
ただ、安全運行には程遠い荒っぽさも兼ね備えていたから、新兵などは目を回していた事も多い ]
あれで実はいいとこのお嬢さんだったってんだから驚きます。どうやってお嬢さん面してたんだか、想像もできません。
[ 既に、有る程度は広がっている話だから良いだろう、と、そんな事まで暴露して ]
艦隊の指揮、ですか?確かにトーリアなら、やってのけるかもしれません。
[ ゲオルグが告げた企みめいた言葉には、若い頃に呼んでいた愛称を口にして真顔で頷いた ]