それでも。 僕に出来ることは、何でしょう?[足は再び、山吹色に敷かれた絨毯の前で止まる。宙を舞う焔は蛍の様に、優雅に闇を舞いながら集っていく。一つ二つと触れ合う度に大きさと輝きを増していき、やがて彼らの頭上には、柔らかな青白い光を放つ大きな球体が出来上がった] まず一つ。[照らす光を朝日と違え、山吹色の蕾が開き始める。禅庭花――ニッコウキスゲの花が咲く] 貴女に花を贈ることが出来る。[彼女へ真っ直ぐに振り返る。男は穏やかに笑っている]