……左様ですね。
大公がお許し下されば。
[……どこが心配いらないというのか。
恐らく麻酔なしで内臓を引き抜かれるこちらの身にもなってほしいと思ったが、
吸血鬼はそういうレベルで生きていないので、ツッコんでも無駄だろう]
……何か願うこと、ですか。
[鳥のように首を傾げて思考し、すぐに]
ではこの曲の題名をお教え下さいませんか?
大公がよく口ずさんでおられる……恐らくは交響曲だと思うのですが、
恐らくとても古い時代の物らしくて、現代に楽譜が残っていないようなのです。
候のような古く偉大な方でしたら、もしやご存じではないかと。
[そうして、血親が機嫌のいい時に口にする音楽を、
そっくりそのまま再現して歌った]