─ 公国前進拠点 ─[生存兵と幾らかの骸を乗せた騎兵が作戦決行の場所である元市街地から拠点へと向かい、帰還を報せるのは、ベリアンよりも後になろう。様々な重圧を背負った一群は、黙々と馬を進める。統率の取れた隊であると彼らは自負している。それだけの実績と心理訓練を積んで来たのだ、とも。しかしそんな兵達も作戦の失敗はよほど堪えた表情であったし、その上、総指揮官の死を知れば騒然となる。]