― 交戦前夜 ―
だからというわけじゃないが、俺には判る。
俺が、そして、皆が、あなたの言葉に耳を傾け、信を置き、従うのは、あなたが、あなただからだ。
名乗っている名が問題なのじゃない。
ここに居るのが「あのファミル」だったら、とうにこの戦線は破られていただろう。
[ それで、彼女の置かれた状況が改善するというわけでもないのかもしれないが ]
そして、俺は貴女のナイトだ。フロイライン・ファミーユ。
これまでも、これからも、貴女がどんな名を名乗ろうと。
[ ただそれだけが、彼がこの少女に渡す事の出来る誓いだった* ]