オレには兄貴が2人いるが、どっちも年が離れててな。
他に身寄りはないし、今後増える事も有り得ない。
先に2人が逝ったら、オレに何かあった時に遺品を渡すような相手がいないんだ。
………だから、カレル。
オレに何かあったら、お前が遺品を貰ってくれないか?
[生徒たちは皆、子供のように可愛いと思っていて、誰か一人を贔屓する気はなかったけれど。
長い寮生活の中。学生時代に同室だったニコラスを除けば、たった一人の同室者で。さらに自分の技を伝授した愛弟子だからこそ。
先に兄たちが亡くなれば、自分が受け継ぐ事になるだろう二振りの刀を譲りたいと、そう思ったのだ]