―執務室―
>>184
ああ、成る程…。
戦地に手作りの菓子とは、その「部下」が奥方かと勘違いしてしまいました。
[残念ながら、という言葉に、肩を軽く竦め]
――閣下なら、引く手あまたでいらっしゃるでしょうに。想い人でもいらっしゃるのでしょう?
この状況だ。周囲は焦られるかもしれませんが、伴侶や子など、出来る時には出来ますよ。
私も、国に息子を置いてきておりますが…
相手とは結婚しておりませんしね。
[重婚になるから、とは言わず、そう答える。
もし彼のそれがリエヴルを思い続けたゆえの言葉なら、ラウツェニングの血筋の一端は、火種をひとつ抱え込むことになるだろう。
報告しておいた方が良いだろうか、と内心で首をひねりつつ、やがて一礼し、部屋を出た*]