いや、……だ、……そんなの、しない。 ぼくは、……ならない。[ 「逆鱗に」たった一言で熱を帯びた頬も 青ざめてしまう。 唇を噛み締めれば人の子の流す血のような においを感じて眉間に皺を寄せる。 絆されかけた純情がきつく紐を結び直し 尾骶骨から臀部に触れた男の手を払う。 天使の手で傷付け下ろすことが出来ずとも ほんの少しでも触れられたくなかった。 ]