[ 中庭を通りかかれば、ふと感じた視線。
何気なく顔を向けると、そこには。
柔らかな風のようなその人が ── ]
!!
[ 思わず息を飲んでから、
慌ただしく最敬礼をしたわ。
いろんなひとに会う日とは言えど、
まさかこんなところに王子様がいるなんて。
無礼じゃなかったかしら、いえ、
そもそも式典などで見る格好よりも
だいぶラフだったから戸惑ったのもあるの ]
第二王子ウェルシュさま。
王国軍士官候補生、
リーゼロッテ・チェンバレンでございます
[ ああ、どうしよう。
ごめんなさい、突然のことで
名を名乗るだけで精一杯だったのよ。 *]