[不意にふつりと怒りが湧いた。突然襲ってきた相手への怒りが。訳の分からない状況への怒りが。何もできないでいる自分への怒りが。] ―――な、 なんなんだよ! なんでなんだよ!なにしてんだよ! なんで殺すんだよ!なんでだよ!! やめろよ馬鹿!くそったれ!!なんとか言えよ、おい!![かっとして剣を握って斬りかかろうとするのを、誰かの手が止めた。振り払おうとして振り払えず、噛みつくように吠える。頭の中がぐちゃぐちゃで、真っ赤な死が目の前を塗りつぶしていた。]