― 作戦決行中・F6 ―
カサンドラ=レイブンウッド技官の公国護送を偽装した囮作戦が決行された。
事前に確認した布陣を頭の中に思い描く中、川辺に偵察展開している筈のウーツ中尉という傭兵の面差しが脳裏を過ぎる。 ]
>>2:312
[ 竜騎兵連隊第二特別分隊所属と名乗る将校が死亡者負傷者の報告に来た折、『どこかで見たような』と感じた。 ]
……あの男は?
[ 対応している部下の後ろで、もう一人の部下に問う。 ]
ああ。見たことがあるなと……。
[ 男は名簿を静かに閲覧している。見覚えがある名前を見つけたのか、時々その指が止まっていた。 ]
『何か素性に問題があるのでしょうか』
[ 部下が言ってくるのに、いや。と返す。 ]