ちが、――そんな顔、してなど、[ 通常鈍い筈である感覚が 研ぎ澄まされている理由を追いかける事を 拒む。 卑猥な顔と言われて羞恥が滲み 隠そうと空から顔を背け俯くのは 天に秘密を抱えたと告げているような ものだというのに自覚などしない。 ただ、本能が、これ以上触れられてはならぬと。 器に触れる手の重みに花の香りが一層強くなった。 ]