志願兵だ。募兵して、その指揮官になる。 風来の義侠──いや、貴族の私生児の方が動きやすいか。 伍長、この前、金を立て替えてくれると言ったな。 貸してくれ。 あと、長老《クレメンス》殿の商館、この首都にもあるだろう、あわせてお借りする。 うん、この際、クレメンス卿の私生児と名乗ってもいいかね。[同意を求められて固まる護衛兵の肩を叩きながら、カナンは室内の一堂を見回した。] マチュザレムによる援軍は断られた。 よって、おれは個人的にシルキーを──王府軍を支援すべく出陣する。