[そして指を、す、と横にやり。
一見して、あまり洋装が変わらない船を指差して、]
カストルは快速だ。
隔壁は少ないが、その分軽い造りになっている。
瞬発的な速さならヴァイスメーヴェのほうが速いけれど……
一度、加速してしまえばカストルの方が上なんだ。
[だから、と。言葉を区切り、]
……もしあの船を攻めるとすれば、
あの双子星の性質の違いを―――掴むんだ。
防戦に適したポルックスを叩くよりも。
カストルに距離を置かれる前に、詰める方が良いと、…思う。
[本当はそのようなことに為らないのが一番だけれど。
その本音は、口に出さずに。]