― 城の大広間 ―[そこは、広大かつ、物凄く豪華な部屋だった。壮麗な天井画には古い神話の一節が描かれ、天上の神々が戯れ、壁紙は錦糸織、柱頭は装飾付き。もっとも、ジェフロイは王侯貴族の生活がどんなものか全く知らないので、凄いとしか言いようがないのだけれど。ふわーっと溜息を漏らし、ポカーンと口を開けて眺めていたら、同様に部屋にやってきたと思しい人影が目に入った。]